「火事の原因ランキング」、気になって検索されましたよね。総務省消防庁の最新データをただ並べるだけなら、私でなくてもできます。「1位 こんろ、2位 たばこ、3位 電気機器…」
…でも、私たちが本当に知りたいのは、「で、我が家は大丈夫なの?」という、たった一つの答えでしょう。
「天ぷらを揚げている最中に、ちょっとだけ子どもに呼ばれて…」「パパの寝室、タコ足配線がホコリだらけかも…」
そんな日常の「うっかり」や「見落とし」が、もし「まさか」に繋がってしまったら。保険の仕事をしていると、火災現場の調査に立ち会います。すべてが灰になった中で、ご家族が泣き崩れながら探しているのは、お金でも家電でもない。「思い出のアルバム」や「子どもが描いた絵」なのです。
「取り返しのつかない後悔」だけは、絶対にしてほしくない。
この記事を読み終える頃には、あなたの家の「危険サイン」が分かり、スッキリと安心できているはずです。一緒に解決していきましょう。
【データ翻訳】これが「火事の原因ランキング」ワースト5(2025年最新版)
まずは「敵」を知ることから始めましょう。これが直近の住宅火災における「出火原因ランキング」のワースト5です。
| 順位 | 原因 | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | こんろ | 約15.4% |
| 2位 | たばこ | 約8.7% |
| 3位 | 電気機器 | 約5.8% |
| 4位 | ストーブ | 約5.7% |
| 5位 | 配線器具 | 約5.2% |
出典:令和5年版 消防白書より
住宅火災の原因 トップ5
いかがですか?「こんろ」がダントツなのは予想通りかもしれませんが、私が保険のプロとして注目しているのは「3位:電気機器」と「5位:配線器具」です。これ、合わせると11%を超え、「たばこ」を上回るんですよ。
言ってしまえば、「火の気」がない場所からの火災が非常に増えている証拠。「うちはタバコも吸わないし、料理もIHだから安心」と思っていても、リスクはゼロではない。この事実をまず、心に留めておいてください。
「全火災」と「住宅火災」の原因はこんなに違う!
多くのサイトで『火事の原因1位はたばこ』と書かれていますが、それは『たき火』などを含めたすべての火災の順位でした。下の表を見てください。私たちが本当に知りたい「住宅火災」だけに絞ると、ダントツの1位は「こんろ」なんです。やはり、私たちのキッチンが一番のリスク地点だった、ということですね。
| 順位 | 全火災の原因 | 住宅火災の原因 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1位 | たばこ | こんろ | ← ここが重要! |
| 2位 | たき火 | たばこ | たき火は住宅外 |
| 3位 | こんろ | ストーブ | 冬場の危険 |
| 4位 | (放火) | 電気機器 | 見えない危険 |
| 5位 | 電気機器 | (放火) |
出典:令和3年版 消防白書
それでは、このランキング上位の「敵」たちを、どうやって日常から遠ざければいいのか。具体的なシーン別に、徹底的に掘り下げていきます。
【シーン別】ランキング上位!「我が家のうっかり火事」徹底予防マニュアル
火災が「発生」する時間帯
火災で「死亡」する時間帯
住宅火災が最も多発しているのは、私たちが夕飯の支度で一番バタバタしている「16時から20時」に集中しているんです。まさに「魔の時間帯」ですよね。
そして衝撃的なのが右のグラフです。火事の件数自体は少ないのに、死者の数は「0時から6時」の就寝中に突出して多くなっています。これは、火事に気づかず「逃げ遅れる」からにほかなりません。
第1位「こんろ」:「お料理中」の”ちょっとだけ”が一番危ない!
ワースト1位は、やはり「こんろ」です。これは「火を使っている」という認識があるだけ、まだマシかもしれません。しかし、最も危険なのは「”ちょっとだけ”の油断」にほかなりません。
⚠️ 実体験:私のヒヤリ体験
私自身の失敗談で恐縮ですが、5年ほど前、自宅で唐揚げを揚げていた時のこと。油を180度に熱している最中に、宅配便が来たんです。「ピンポーン」と。玄関先ですぐ済むと思い、火を「弱火」にして玄関に向かいました。ところが、受け取りのサインをして、世間話を少しして…戻ってきたら、キッチンの油鍋から薄っすらと白い煙が。
あと1分、いや30秒遅れていたら、発火していたかもしれません。天ぷら油(植物油)は、発火点(火種がなくても燃え出す温度)が約370度と言われています。弱火にしていても、温度は上がり続けるのです。
<具体的な解決策>
結論:「火をつけたら、コンロから絶対に離れない」。これを鉄則にしてください。
理由:子どもに呼ばれる、電話が鳴る…日常は「ちょっとだけ」の連続です。その「ちょっとだけ」が命取りになります。
具体例:
- もし離れるなら、どんなに短時間でも必ず火を消す習慣をつけましょう。
- もし、万が一、天ぷら油から火が上がってしまったら? 絶対に水をかけてはダメです。火のついた油が飛び散り、一瞬で火の海になります。
- 対策①(予防):「Siセンサーコンロ」への買い替えを検討する。現在のガスコンロは、鍋底が約250度になると自動で火が消える安全装置が義務付けられています。もし10年以上前のコンロ(費用目安:約8万円~15万円)をお使いなら、これだけでリスクが激減します。
- 対策②(鎮火):キッチン専用の「消火器」を常備する。スプレータイプなら約1,500円程度で買えます。シンク下に1本あるだけで、安心感が違いますよ。
第2位「たばこ」:旦那さんや来客時。「寝たばこ」と「失火責任法」の恐怖
「私は吸わないから関係ない」…そう思っていませんか? 保険のプロとして、これは非常に危険な考え方だと断言します。ご家族や来客が吸う場合、リスクはあなた自身が吸うのと同じだけ存在します。
たばこ火災で最も恐ろしいのは、「すぐには燃え上がらない」ことです。例えば、「寝たばこ」で火のついたたばこが布団やマットレスに落ちたとします。炎はすぐに出ません。「無炎燃焼(燻焼:くんしょう)」といって、煙だけを出しながら、じわじわと内側で燃え続けます。
⚖️ 知っておくべき重要な法律
ここで、保険のプロとして一つ、重要な法律をお伝えします。それは「失火責任法(しっかせきにんほう)」です。ものすごく簡単に言えば、「もし自分の家が火事になって、隣の家に燃え移っても、重大な過失(重過失)がなければ、隣の家に賠償しなくていい」という法律なのです。
逆の立場で考えてみてください。もし、お隣さんの「たばこの不始末(重過失と認定されにくい)」であなたの家が燃えても、あなたはお隣さんに修理費を請求できないのです。
「自分の家は、自分で守る」。これが火災保険の鉄則です。
<具体的な解決策>
結論:家族全員で「火の始末」のルールを徹底すること。
理由:たばこの火(約700~800度)は小さくても、燃え移ると非常に危険です。
具体例:
- ルール①:灰皿には必ず水を入れる。吸い殻が中で燻り続けるのを防ぐ、最も簡単で確実な方法です。
- ルール②:「寝室」と「ソファの上」では絶対に吸わせない。家族会議を開いてでも徹底してください。「酔って帰ってきた時」が一番危険です。
- 対策:防炎機能(燃え広がりにくい)のあるカーテン(費用目安:1窓あたり約10,000円~)に替えるのも有効な手段です。
第3位「電気機器・配線」:”見えない場所”が燃えている?
「こんろ」や「たばこ」は目に見える火ですが、「電気」は”見えない場所”で静かに牙を研いでいます。ランキングの3位と5位を占める「電気火災」、これこそが40代・50代の私たちが今、最も警戒すべき火災原因かもしれません。
なぜなら、「古い家電」と「ホコリ」は、どの家庭にも必ず存在するからです。特に危険なのは「タコ足配線」と「コンセントの裏側」。冷蔵庫やテレビ、洗濯機の裏側にあるコンセント、最後に掃除したのはいつですか?
これこそが「トラッキング現象」の一歩手前です。ホコリが湿気を吸うと、電気が流れる「道」ができてしまいます。そこに電気が流れると、ホコリが炭化して発熱・発火するのです。火の気がない場所で、いきなり火事になる。これが電気火災の正体です。
<具体的な解決策>
結論:「見えない場所」を定期的に点検する習慣をつけること。
理由:電気火災は「気づいた時には手遅れ」になりがちです。
具体例:
- 習慣①:「衣替え」や「大掃除」のタイミングで、必ず冷蔵庫やテレビの裏のコンセントを乾いた布で拭く。半年に一度で構いません。
- 習慣②:タコ足配線(電源タップ)は、許容量(W数)を守る。ドライヤーや電子レンジなど、消費電力が大きいもの(1,000W以上)を一つのタップで同時に使うのは絶対にNGです。
- 対策:電源タップは、「ホコリ防止シャッター付き」や「過電流防止ブレーカー付き」のもの(費用目安:約2,500円~)に買い替えましょう。5年以上使っているタップは、内部が劣化している可能性があるので、交換を推奨します。
【最近の傾向】それ、大丈夫?増えている「新型火事」と「冬の落とし穴」
ランキング上位には入らなくとも、私たちの生活様式の変化によって、ここ数年で急増している火災原因があります。「自分は大丈夫」という思い込みが、一番の油断に繋がります。
スマホ、充電器…「リチウムイオン電池」が原因の火事
今や一人一台のスマートフォン。そして、モバイルバッテリーやコードレス掃除機。これらに使われている「リチウムイオン電池」が、新たな火種となっています。
原因の多くは、「安価な非純正の充電器」や「衝撃が加わったバッテリー」です。安価な製品(例えば500円程度のもの)は、過剰な電流を防ぐ安全回路が省かれている場合があります。
<注意点>
- 「寝ながらスマホ充電」は危険。枕や布団の上で充電すると、熱がこもりやすく、バッテリーが異常発熱する原因になります。
- バッテリーが「少し膨らんできた」のは交換のサインではなく、即使用中止のサインです。
- 充電器は、安全基準を満たした「PSEマーク」付きの製品(費用目安:2,000円~3,000円)を選びましょう。数百円をケチった結果、家を失っては元も子もありません。
ストーブ、こたつ…「冬ならでは」の火事
ランキング4位の「ストーブ」も、冬場特有の火災です。「火が見えるから大丈夫」と思っていませんか? 危険なのは炎だけではありません。「輻射熱(ふくしゃねつ)」という、ストーブから出る目に見えない熱線が、離れた場所にあるカーテンや洗濯物をじっくりと加熱し、発火させるのです。
<注意点>
- ストーブの周囲は、最低1メートル以上、壁や燃えやすいものから離してください。特に、洗濯物を乾かすためにストーブの真上に干すのは厳禁です。
- 「こたつ」も安全ではありません。こたつの中で衣類を乾かしたり、電源をつけたまま寝てしまうと、「低温やけど」だけでなく、布団がヒーター部分に触れ続けることで発火(低温発火)するリスクがあります。
- 電気毛布(費用目安:約5,000円)も同様で、「強」のまま寝てしまうのは避けましょう。
命と「大切な思い出」を守る、2つの”お守り”
ここまで予防策をお話ししてきましたが、どれだけ気をつけても「もしも」は起こり得ます。その「もしも」の被害を最小限に食い止め、命を守るための”お守り”が2つあります。
お守り①「火災報知器」:「10年経ったら交換」知ってました?
火災報知器の設置は、今や義務です。しかし、設置して安心、ではありません。結論:火災報知器の寿命は、おおむね「10年」です。
お客様の家にお伺いすると、8割以上の方が「設置したまま一度も点検していない」とおっしゃいます。電子部品は時間と共に劣化しますし、電池切れ(多くはリチウム電池で10年持ちます)も起こります。
<具体的な解決策>
- 今すぐ、天井の火災報知器の「ボタンを押す」か「ヒモを引いて」みてください。
- 「正常です」「火事です」と音声やブザーが鳴ればOK。鳴らなければ電池切れか故障です。
- 設置した年が分からない場合、本体に製造年が書いてあります。10年近く経っていたら、迷わず交換しましょう。命を守る投資です。
お守り②「家庭用消火器」:実は”主婦でも簡単”な選び方
「消火器なんて、重くて使えなそう…」そう思っている方が多いのですが、それは学校やビルにある「業務用(赤いボトル)」のイメージです。
結論:主婦の私たちが備えるべきは、「家庭用消火器」です。
<具体的な解決策>
- 選び方①「スプレー式」:最も手軽なのが、ヘアスプレーのような「エアゾール式簡易消火具」(費用目安:約1,500円)。キッチンのシンク下に置くのに最適です。ただし、あくまで初期の初期消火用です。
- 選び方②「蓄圧式(住宅用)」:私が強く推奨するのはこちらです。カラフルでおしゃれなデザインのものも多く、重さも業務用(約5kg)の半分以下(約2.2kg)です。
- 注意点:家庭用で特に重要なのが「油火災」に対応していること。天ぷら油火災には、一般的な粉末消火器より、「強化液(中性)」タイプの消火器(費用目安:約4,000円~6,000円)が効果的です。泡状の液体が油を覆い、再発火を防いでくれます。
【結論】「後悔しない」ために。今日からできる「我が家の安心」チェックリスト
ここまで、本当に詳しく読んでくださり、ありがとうございます。あなたの「家族を守りたい」という真剣な気持ちが伝わってきます。
「火事の原因ランキング」を知ることは、不安になるためではありません。「我が家のどこに危険が潜んでいるか」を知り、正しく対策するための「地図」を手に入れることなのです。
予防策はバッチリですね。最後に、「今日からできること」をリストにします。
<今日からできる安心チェックリスト>
…さて、これで「火事を防ぐ」対策は万全になりました。
🔥 予防策と合わせて、火災保険の見直しもお忘れなく
無料で火災保険を診断する予防は完璧。でも…「万が一」の”心の穴”を埋める最後の備え
予防策は、火事を「起こさない」ための努力です。しかし、保険は、火事が「起こってしまった後」に、家族がもう一度立ち上がるための”最後の砦”です。
どんなに私たちが気をつけても、リスクはゼロにはなりません。前述の通り、「失火責任法」があるため、隣家からの「もらい火」で家が全焼しても、隣人には1円も請求できないのが日本の法律です。
💔 実際のケース:Bさんの後悔
2年前に担当したお客様(Bさん)は、まさに「もらい火」でご自宅が半焼しました。「建物」の火災保険には入っておられました。だから、家の修理代(約1,200万円)は保険金でなんとかなったのです。しかし、Bさんは「家財」の保険に入っていませんでした。
燃えたのは家だけではありません。ソファ、テレビ(50万円)、冷蔵庫(30万円)、家族全員の洋服(100万円以上)、奥様が大切にしていたブランドバッグ、ご主人の趣味の道具…ススと水浸しで、ほとんどすべてを買い直すことになりました。その買い直し費用、総額で約800万円。これは、すべて自己負担です。
Bさんのあの時の言葉が、私は忘れられません。
ここで、あなたに質問です。
- 「我が家の火災保険、『家財』の補償、いくらに設定していますか?」
- 「そもそも、『家財』って入ってますか?」
- 「『家財』の補償額、10年前に買ったテレビの値段(時価額)になっていませんか? 今、同じものを買い直す金額(新価額)になっていますか?」
…ドキッとした方も、大丈夫ですよ。保険証券なんて、難しくて読む気にならないですよね。分かります。
40代の4人家族の場合、家財道具を一式買い揃えると、平均で1,000万円から1,500万円かかると言われています。でも、この「家財1,000万円」の補償、保険料にすると、年間でプラス約5,000円~10,000円程度で済むケースがほとんどなのです。月額にすれば、ワンコイン。それで1,000万円の「生活を守る」安心が手に入るとしたら、どうでしょう。
火事が起きた後で「あの時、家財さえ入っていれば…」と後悔するのだけは、絶対にあってはいけません。
私たちは「火事の原因」を一緒に解決してきました。次は、「火事が起きた後」の不安も、一緒に解決しませんか?
保険の専門家(FP)と提携し、「我が家の火災保険、これだけで大丈夫?」という不安を無料で診断できるサービスをご紹介しています。
- 難しい証券の「翻訳」(「時価額」と「新価額」の違いは?)から、
- 今の家族構成に合った「家財」の見積もりまで、
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